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第58話 日本へつながる門の前で、彼女は俺の手を離さなかった

ผู้เขียน: 常陸之介寛浩
last update วันที่เผยแพร่: 2026-11-05 14:08:02

第58話 日本へつながる門の前で、彼女は俺の手を離さなかった

出発までの十五分間で、人間にできることは驚くほど少ない。

武器を選び、最低限の説明を受け、戻れなかった場合に必要となる言葉を残そうとすれば、それだけで時間は消えていく。まして今回は、召喚院が日本へ門を開こうとしている。そこに父さんがいると考えた瞬間、頭の中へ浮かんだ言葉はどれも役に立たず、代わりに家の玄関や、少し焦げた卵焼き、食卓へ置かれたままの新聞といった、今すぐには何の助けにもならない記憶ばかりが蘇ってきた。

俺は防護服の留め具を締めながら、東離宮の治療室を訪れた。

ユエルは眠っていた。フィーネの袖をつかんだまま横になっており、眠りが浅いのか、時折苦しそうに眉を寄せている。フィーネは寝台の脇に椅子を寄せ、動かせるほうの手で紙へ絵を描いていた。

四つの月が浮かぶユエルの故郷と、その隣に竜帝国の城がある。二つの場所を結ぶ扉には、誰かを縛る鎖ではなく、人々が自分の足で渡るための橋が描かれていた。

「行くの?」

フィーネは声を

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